上田義彦「68TH STREET」
上田義彦による光と影をめぐる写真の根元に迫る世界。世界トップのアートディレクター、ファビアン・バロンによる工芸品的デザイン&造本で限定千部、定価1万円で2018年4月発売!同名写真展もGallery 916で4月21日より開催。
上田義彦は一枚の紙をモチーフに、ニューヨーク68丁目の部屋に落ちてくる、移ろい、刻々とその姿を変える光を追いかけ、完璧な美しさでモノクロームの印画紙の上に、上田にとっても命題であった写真の宿命である光と、それによって生まれる影として定着させた。その深淵な「光と影」の写真群は、撮影後すぐにニューヨークで、上田が信頼する旧知のアートディレクター、ファビアン・バロンに託され、撮影された時間軸そのままに光の軌跡として写真集に刻印された。上田とファビアン・バロンは雑誌『Visionaire』以来、実に25年ぶりに共演となる。
本のデザインは、NYのファビアン・バロン。カルバン・クライン、ディオール、ザラなどのキャンペーンを長年手がけ、雑誌『Interview』のクリエイティヴ・ディレクターも手がける世界で最も著名なアートディレクターである彼が、その完璧主義を追求して挑んだシャープながらもこだわり抜いた工芸品のようなデザインと造本。
編集は、上田義彦の集大成的写真集「A Life with Camera」をはじめ、篠山紀信、森山大道、マーク・ボスウィック、ジェフ・バートンなどの写真集を手がけ、17年にはNYのエレナ・エムチュックの写真集「Anna」も手がけた菅付雅信。この「68TH STREET」は、菅付が代表を務めるアートブック出版社ユナイテッドヴァガボンズからの出版になる。
印刷・製本は京都のサンエムカラー。数々の写真集や美術書、カレンダーなどの美術印刷で知られるサンエムカラーならではの1000 dpi(通常の印刷物の約3倍の画素密度)の高精度印刷と、B4変形、ハードカバー、クロス掛け、フランス装で140ページ(通常のページ換算だと280ページ)、UVインクとエンボス加工も施した、日本の印刷技術と造本技術の粋を極めた仕上がり。
上田義彦
写真家/多摩美術大学グラフィックデザイン学科教授
1957年兵庫県生まれ。24歳の時プロフェッショナルとして写真家の道に入る。以来、透徹した自身の美学のもと、さまざまな被写体に向き合うことになる。ポートレート、静物、風景、建築、パフォーマンス等、カテゴリーを超越した作品は国内外で高い評価を得る。2015年には自身の30余年の活動を集大成した写真集『A Life with Camera』を出版。代表作のひとつであるアメリカンインディアンの聖なる森を捉えた『QUINAULT』(1993)は、その後も上田を森に誘い、2017年には約30年ぶりに再びQUINAULTの森、そして日本の屋久島の森、春日の森を撮影し、写真集『Forest 印象と記憶1989-2017』にまとめた。2014年、日本写真協会作家賞を受賞。同年から多摩美術大学教授として後進の育成にも力を注ぐ。
ファビアン・バロン
1959年、フランス生まれ。ニューヨークを拠点とし、世界で最も著名なアート・ディレクター/クリエイティブ・ディレクターのひとり。グラフィックのみならず、香水ボトルや家具等のデザインも行い、写真家としても活動する。雑誌ではいままでにイタリア版とフランス版の『ヴォーグ』、アメリカ版『ハーパース・バザー』のアート・ディレクションを手がけ、また『Interview』のクリエイティヴ・ディレクターも約30年近く手がける。ブランドでは、カルバン・クラインのキャンペーンやパッケージなどのトータルのブランディングを長年手がけ、他にディオール、バレンシアガ、ヒューゴボス、バーバリー、ミュウミュウ、プラダ、ヴィクター&ロルフなどをクライアントとし、マドンナのアルバム・ジャケットや写真集などのデザインを手掛けている。フレグランス財団からフレグランス界の「オスカー」となるフィフィデザイン賞を受賞。アメリカファッションデザイナーズ評議会の特別賞受賞。
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B4変形(天地360mm×左右254mm×厚さ23mm)
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ハードカバー/クロス掛け/エンボス加工/フランス装/140ページ/4C印刷/1000 dpi製版/シュリンク包装/バイリンガルテキスト
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著者:上田義彦
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アートディレクション:ファビアン・バロン
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編集:菅付雅信
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発行:ユナイテッドヴァガボンズ
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販売:トランスビュー Email info@transview.co.jp Tel 03-3664-7334
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定価:10,000円+税
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限定1,000部(国内書店販売は300部のみ)